皆さんは「助産所」って何をするところか知っていますか?おそらく「病院ではなく、お家のようなアットホームな環境で出産をする場所」というイメージが強いと思います。でも、実際は出産を扱わない助産所がとても多いんです。

出産は扱わないけれど、妊婦さんの産前産後のケア、パパママ教室、育児や思春期のことまで「誰でも気軽に相談できる身近な場所!」が地域の助産所です。どう利用していいのかわからない方へ少しでも参考になればうれしいです。

病院では聞けないことも、いろいろ相談できる!

助産所は、助産師の自宅や、小規模施設なアットホームな環境であることが多く、私が運営する「母の家」も、築100年の古民家で、風情溢れる和室です(⌒∇⌒)ですから、患者さんの多くはとてもリラックスして、いろんな悩みや話が次から次へと溢れてきます。助産師がとても聞き上手ということと、同じ女性として悩みを共感してくれるというのも理由のひとつです。遠慮せずに不安なことや、気になることをどんどん聞いてみてくださいね♪

相談件数の多い困りごと

1.母乳相談・乳房トラブル
赤ちゃんは、生まれたら自然と上手におっぱいを飲んでくれる!自分はスムーズに母乳育児ができる!と思っている人がほとんどです。しかし、現実はそうではなく、授乳がうまくいかずに悩んでしまう母親がとても多いのです。

ひとりで悶々と悩んでいる間に、母乳の分泌が少なくなってしまうケースや、逆に自分は母乳が出ていないと思っていたらじつは十分に出ていた、なんてこともあります。ひとりで悩まず、1日も早く助産師に相談することが、母乳育児をうまくやっていくコツ!なんです。

2.赤ちゃんの体重増加について
「赤ちゃんの体重が順調に増えているか心配です。」「体重が増えすぎと言われてしまいました。」など、赤ちゃんの発育に関する悩みも、よく聞かれることです。

この場合、母乳の分泌状態や赤ちゃんの哺乳状態とともに、母親自身の気持ちに寄り添いながら、赤ちゃんの成長発達が順調になるまで定期的にしっかりと見ていきます。異常を早期に見つけて、病院の受診を勧めるのも開業助産師の大事な役割です。

3.赤ちゃんが泣き止まない。グズる
「うちの子には背中スイッチがあるんです。」「ずっと抱っこしてないと泣くんです。」そんな声を聞いたことはありませんか?ママもパパも疲れ果てて、助産院に助けを求めにきます。

赤ちゃんはどうして泣くのでしょう?どんな時に泣くのでしょう?この疑問を、一緒に紐解いていくと『赤ちゃんがスヤスヤと寝てくれる。ご機嫌に過ごすのはどんな時なのか』が分かってきます。母の家では、できるだけパパも一緒に来てもらいます。なぜなら、パパの方が抱っこが上手だったりするんです(笑)少しでも、ママの負担を軽くしてあげたいと思っています。

開業助産師さんたちは、お産の専門知識だけではなく、いろんな知識やスキルを持っている方がとても多いです。例えば食事や運動、骨盤ケア、タッチケア、マタニティヨガ、リラクゼーション、性教育など、多岐にわたる指導やケアをしていますので、地域の助産師さんのHPをのぞいてみるとよいですね♪

助産所の見つけ方

皆さんがお住いの地域、または近隣の市町村に助産所はあります。「○○県助産所」「○○市助産所」などの検索ワードで調べられます。日本全国の助産所(日本助産師会会員のみ)からも調べることができますので、ぜひご活用ください。
全国助産所一覧 | 日本助産師会
*もしも、助産所で出産したい方は、出産を扱っている助産所を探してくださいね。

ケア料金について

助産所でケアを受けた場合、保健適応ではないため、すべて自費となりますが、医療費控除の対象となるケアもありますので、領収書を保管しておいて確定申告時に提出してください。

「母乳ケア1回」の平均的な目安は、地域や助産所により3,000~7,000円と幅があります。高いと思われるかもしれませんが、助産師は高い専門知識、スキルを学び国家資格を有しています。また「独占業務」と言って医師と助産師にしか与えられない業務を行っています。さらに、助産所では患者様の声をしっかり聞き、時間をかけてケアを行います。それを考慮すると、決して高い金額ではないと思います。料金は各地域、各助産所、またサポート内容によって異なりますので、助産所のHPを見たり、直接たずねてみてください。

お住まいの(住民票のある)地域によっては、自治体から発行されている「子育てクーポン〇万円分」とか、産前産後ケア事業の自己負担が1割負担という自治体もあります。ちなみに、私がいる大分県では子育てクーポンで母乳ケアや、紙おむつ、粉ミルクの購入にも使えるため、ママ達も喜んでいます。

妊娠、出産、子育ては母親ひとりが学び、行うものではありません。父親となる男性も一緒になってスキルや知識を習得し、これから家族の一員となる赤ちゃんを迎える準備をする必要があります。しかし、学校ではそんなこと教わらないまま親になってしまいます。「どこに、誰に聞いたらいいのか分からない。」「相談できる人がいない。」そんな男性の声をよく耳にします。そんな悩みも、助産所が解決してくれます。

母親だけでなく、ぜひ家族揃って助産所に来てください!協力しながら子育てできるようにサポートしていくことが、助産所の役割で、私たちの喜びでもあります。ぜひ皆さんも気軽に連絡してくださいね(⌒∇⌒)