「赤ちゃんが産まれたら、母乳だけで育てたいな」と思っているママは多いのですが、実際に母乳栄養だけで育てるひとは、全体の30~40%と言われています。
実は、母乳育児を成功させるには、
赤ちゃんが生まれてからではなく、妊娠中から準備しておくことが大切なんです!
妊娠中からのおっぱいのお手入れ
赤ちゃんは、生まれてすぐにおっぱいをくわえて吸うことができます。それは、お母さんのお腹にいるときから、指しゃぶりをして練習していたから。
赤ちゃんってすごいなー!と思う瞬間です(笑)
でも、お母さんの乳頭の状態(扁平、陥没、硬い、大きいなど)によっては、上手にくわえられない赤ちゃんもいます。ですから、なるべく赤ちゃんが上手におっぱいをくわえられるように、妊娠37週に入ったら、積極的に乳頭のお手入れ(おっぱいケア)をしましょう。
注)ただし、乳頭を刺激すると子宮収縮が起こりますので、多胎妊娠や帝王切開が決まっている人は、主治医に必ず確認をとってから行ってくださいね。
【乳頭のお手入れの方法】
・乳頭のチェック(大きさ、形、硬さなど)
扁平、陥没、乳頭が大きいなど、心配な方は助産師さんに相談しましょう。
・乳頭ケア、マッサージの方法は、こちらのサイトを参照ください(助産師が教える!乳頭・乳輪部マッサージの仕方|AMOMA)
なぜ、妊娠中からおっぱいのケアが必要なの?
妊娠中からおっぱいのケアが必要な理由は2つあります。
1.「赤ちゃんは柔らかい乳頭が大好き」
柔らかいとよく伸びるので舌でしっかりと捉えることができ、吸いやすくなります。赤ちゃんがスムーズにくわえられるように、早い時期からのお手入れが必要なんですね。
ここで、扁平乳頭、陥没乳頭の人は、「自分の乳頭は飛び出ていないから吸えないかも・・・・。」と諦める必要はありません。乳頭が出ていなくても、乳輪部がしっかりと柔らかければ、あかちゃんは乳輪部からくわえて吸ってくれます!
さらに、乳頭を突出させる器具(ニップルフォーマーやプチパッドなど)もありますので、かかりつけの産院の助産師さんに尋ねてみてください。使ってみる価値はあります!!
2.「赤ちゃんの吸引力は想像以上に強い」
母乳育児を開始して約1週間は、刺激に慣れていない乳頭が切れて(乳頭亀裂)あまりの痛さに、特に初産婦さんは、授乳ができなくなるお母さんがたくさんいます。そのため、妊娠中から乳頭を柔らかく伸びる状態にしておくことで、トラブルを回避する目的があるのです。
ちなみに、私が先輩助産師から聞いた、ちょっと笑える昔ばなしなのですが(かなり昔と思いますが)、妊婦さんは乳頭を日光に当てて、さらに歯ブラシで刺激していたそうです(笑)。真相は分かりませんが、それくらい、赤ちゃんの吸う力が強いということですね!
【補足】下着選びも大切です
◇ブラジャー
妊娠をすると、乳腺が発達してくるので、乳房が大きくなってきます。同時に刺激に敏感になるため、肌触りが良い生地(綿100%など)、締め付けや圧迫感がなくサイズ調整が可能なブラジャーを選ぶと良いですね。また、産前、産後を通して使えるものにすると、産後に買い替えなくて済みます。デザイン性よりも、自分に合った機能性を重視して選ぶと授乳がスムーズにいくかもしれません。どのブラジャーを買ったらよいか分からない場合は店員さんに尋ねてみてください。
◇ショーツ
ガードルなど、下腹部を締め付けるものはやめましょう。特に、つわりの時期や、切迫早産でお腹が張りやすい時には、締め付けは禁忌です。おなかが大きくなってくると、おなか全体が隠れる妊婦用のショーツをお勧めします。おなかを冷やさない効果もあります。
皆さんも、ぜひ赤ちゃんが産まれる前から「おっぱいのお手入れ」やってくださいね!
「母乳育児成功のための10か条」も、よかったら参考に見てください。
母乳育児成功のための10ヵ条 (bonyu.or.jp)